2017年10月19日(木)  アトピー性皮膚炎

酵素はアトピーの悪玉菌の抗菌に有効?

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アトピー性皮膚炎の発症原因の一つに、皮膚の悪玉常在菌でマラセチア菌、黄色ブドウ球菌、コリネバクテリウムなどの増殖がある。

健康な皮膚には表皮ブドウ球菌という善玉常在菌がいて、汗や皮脂を餌に弱酸性の脂肪酸を産生することで悪玉常在菌の繁殖を抑える役割を担っている。

この善玉常在菌と悪玉常在菌のバランスが崩れ、マラセチア菌や黄色ブドウ球菌、コリネバクテリウムなどといった悪玉常在菌ばかりが増殖し皮膚への刺激となってしまうのだ。

そこでこの悪玉常在菌の増殖を抗菌作用によりおさえることでアトピー性皮膚炎の発症・悪化を食い止めようと、様々な抗菌アプローチが行なわれている。しかし、そこには思わぬ落とし穴も隠されているという。

悪玉常在菌の抗菌作用による注意

抗生物質による抗菌・殺菌

経口薬による投与なども考えられるが、皮膚の悪玉常在菌を抗菌・殺菌するには相当量になると言われているうえに、体内の必要な善玉常在菌まで殺菌してしまう場合もあるため、実用化はされていない。

酵素による抗菌・殺菌

酵素は、たんぱく質などを分解する働きを持っている。その働きを利用して、悪玉常在菌へ強い抗菌効果でアプローチすることができるのだ。

だが、たんぱく質を分解するということは言い換えれば、悪玉常在菌でもあるマラセチア菌や黄色ブドウ球菌への抗菌・殺菌をすると同時に、健康な皮膚に必ず存在する「善玉常在菌(表皮ブドウ球菌など)」までも抗菌・殺菌してしまうことに繋がるのだ。

殺菌された善玉常在菌は約24時間かけて元の菌数に戻るが、その間にアトピー性皮膚炎でバリア機能が弱ってしまった皮膚では、悪玉常在菌が先に増殖してしまい、症状が悪化してしまう可能性が高くなってしまう。

phによる抗菌・殺菌

アトピー性皮膚炎によってバリア機能が壊れてしまった皮膚は、悪玉常在菌が増殖し皮膚環境は「アルカリ性」になっている。

これを、phの作用を活用して善玉常在菌が好む「弱酸性」の皮膚環境にしてやることで善玉常在菌が増加し、皮膚の常在菌バランスをリスクを負わずに整えてくれる。皮膚にも常在菌にも優しい理にかなった抗菌作用なのだ。

皮膚の善玉菌を増やすには

悪玉常在菌を抗菌・殺菌することで症状を緩和することも大切だが、最も大切なのは、「皮膚の善玉常在菌を増やす環境をつくる」ということだ。善玉常在菌を増やせば、悪玉常在菌は自然に減っていく。

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上図のように、健康な皮膚の常在菌バランスにするには、皮膚環境を弱酸性に整えてくれる作用を持つ石けんやクリームを用いて、アルカリ性に偏った皮膚環境を弱酸性へ整えていくことを心がけよう。

アトピー性皮膚炎の根治には2大原因、皮膚改善・腸内改善を同時に行うことが必要

アレルギーやアトピーの原因はこれまで多く語られてきた。遺伝や様々なアレルゲンが大きく影響している説が大半だったが、大人も子どもも過剰な免疫反応とその免疫を刺激する細菌が2大原因である事が有力視されている。

2大原因のひとつは皮膚表在の細菌の「黄色ブドウ球菌」の大量発生

2015年4月21日、慶應医学部とアメリカ国立衛生研究所はアトピー性皮膚炎の原因が皮膚の表面に誰もが持っている「黄色ブドウ球菌」が大量に発生しアレルゲンになっている事を解明した。
常在菌+マウス
本来、皮膚は善玉菌のはたらきにより弱酸性から中酸性であることで黄色ブドウ球菌など「有害菌」の増殖を抑えることができている。また同時に、およそ28日間隔の規則正しいターンオーバーを繰り返すことでバリア機能を保ち、これら有害菌からの刺激も受けずにいられる。これは、大人も子どもも同じだ。

しかしアトピー性皮膚炎の皮膚は、本来、弱酸性から中酸性にあるべき皮膚が壊れ乾燥し、黄色ブドウ球菌など有害菌が増殖しやすい弱アルカリ性化してしまう。

その結果、有害菌の刺激によりバリア機能が崩壊し、さらにターンオーバーが乱れ、黒い過酸化脂質を沈着させまたかゆみを増幅させるという「悪化サイクル」をたどる事になる。

皮膚自体を改善を早めるには

大人も子どもも改善方法は変わらない。細菌を増殖させにくい弱中酸性クリームでの抗菌・保湿と、28日間隔の規則正しいターンオーバーに戻す為のミトコンドリア活性、黒ずみの原因である過酸化脂質の除去が有効である。

2大原因のもうひとつは腸内の免疫バランスの改善

アトピー性皮膚炎の2大原因のふたつめは、「免疫の異常反応」いわゆるアレルギー反応である。アトピー性皮膚炎の子供が同時に食物アレルギーである事が多い理由もこれである。

免疫は腸内環境と密接な関係がある。腸内の悪玉菌の増殖は腸管免疫のバランスを崩し、腸内表皮反射として皮膚にニキビや吹き出物といった形で現れるのだ。
胃を壊すと肌が荒れる。それと同じだ。

また、腸内環境が悪くなるということはターンオーバーの乱れも招いてしまう。
近年は大手企業がR1やカルピスといった乳酸菌製品を販売しているが、むやみに摂取してもアトピーには逆効果となる場合もある。

老若男女すべてにおいて言えることだが、アトピーというのは免疫が高いことが多く、さらに免疫を高めても免疫過剰になり、悪化してしまうこともあるのだ。アトピーの場合、免疫を高めるのではなく、免疫Th1とTh2のバランスを整える必要がある。

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ステロイドなど皮膚のケアをしていてもアトピーが改善しなかったり、一時的に治ってもすぐに再発してしまうのは、この免疫バランスが不安定になってしまっているからなのだ。

アトピー性皮膚炎の2大原因を知り、根治させる為の要点

皮膚改善のために適切な保湿クリームを選ぶ

1、黄色ブドウ球菌対策

細菌の増殖を抑える弱、中酸性のpH値の保湿クリームを使用する。

2、悪化サイクルからの脱却対策

皮膚の改善サイクルを早める為のターンオーバー促進成分のあるもの。

3、かゆみ原因の除去による早期の脱ステロイド対策

黒ずみの原因、抗過酸化脂質作用のあるクリーム。

腸内改善のために適切な乳酸菌を選ぶ

1、免疫力を高める効果を求めない、免疫バランスを整える乳酸菌

インフルエンザ等に有効な類の乳酸菌はアトピーにとっては有効でない場合がある。

2、乳酸菌製品中の数が効果に比例する訳ではない

1袋に○○億個の乳酸菌などの商品も多くあるが、必ずしも菌の数が効果に比例するのではない事を理解しよう。

最後に

  • 皮膚自体をステロイド等で改善しても免疫異常があればまた再発する。
  • 免疫異常があっても皮膚の細菌等のアレルゲンを除去できなければまた再発する。

→ この2点をふまえて、皮膚原因と免疫原因の2つの原因を同時に改善する事が根治への近道となる。

さらに皮膚は、28日間隔の正常なターンオーバーを繰り返すことでバリア機能を保ち健康な状態でいることができる。そのため皮膚改善と腸内改善を28日サイクルでおこない評価することが大切だ。これは、大人から子どもまで性別関係なく言えることなのだ。

そこで注目されているのが「28日皮膚免疫トレーニング」という考え方だ。ターンオーバーの28日周期にそって皮膚改善と腸内改善を同時に目指すという。大人も子どもも全ての方がチャレンジできる。

28day

ステロイド薬は副作用の不安などの指摘はあるが、強度なかゆみを鎮静させるにはやはり有効でもある。

しかし、早期に悪化サイクルから脱却する為にもこの2つの原因を「28日」サイクルで改善していく事が近道だと言えるのだ。

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